Vol.466「研修」

2/19(火)から研修生を受け入れた。福岡市在住の西尾さん、30代後半で前職は福岡の某大手人材会社。昨年末で退職され、現在は実家のある宮若市で父親がしている農場を手伝いながら、野菜流通事業の準備を始めているらしい。

出会いは昨年秋。福岡のクロスエイジ(農業ベンチャーの雄と言われている業界でかなり有名な企業デス)の藤野社長から是非紹介したい人がいると連絡があった。どうも本人が考えていることがまごやさいに近いのではないかとのこと。もちろん拒否すべき理由はなく、ほどなく本人がまごやさいにやってきた。

30代後半で子どもが生まれたばかり。転職経験はなく、現職では若くして部長職、正直言って辞めて事業をするにはリスクが大きすぎる。その人の半生をなぞるように話を聞きながら(昔の癖ですね、苦笑)本気なのか何度も確かめた。言外にやめた方がよいのではというニュアンスも込めて。

しかし既に腹は固まっているようだった。であれば、少しでも彼が成功に近づけるように、もしくは僕と同じ失敗をしないよう、今できることをしよう。その日はまごやさいの事業について詳しくお話しし、もしまごやさいと同じような形で事業をお考えなら事業研修を受け入れる旨をお話ししその日は別れた。

そして4か月後、事業研修にお伺いしたいと連絡が来た。すでに会社は辞めており実家の農場で父親の手伝いをしているという。受入れに際してのこちらから出した条件は以下。
・研修費は不要
・食事と宿泊場所は提供する
・実際に作業を手伝ってもらっても報酬は支払わない

2/19(火)14:00、彼は時間通りにやって来た。この日、農吉関係の方にも事業説明する必要があり参加者2名でガイダンス開始。まずはお互いの理解から。そうこうしているうちに農家さんの出荷が始まり、周囲が賑やかな中で事業説明をに移った。現在の事業に至るまでの経緯やその過程での失敗・方向転換した理由・現在の事業の全体像・今後の方向性など、話せば色々あるもので、質問も多発、あっという間に2時間がたち、少しだけ出荷作業を体験してもらってセンターでの研修初日は終了。その後、家に場所を移して少しアルコールも入れながら四方山話をしてたらあっという間に22:00。これで本日完全終了となった。

2日目はセンターで出荷作業を見てもらった。僕はいつも通り農吉で仕事なので、この日の担当はセンター長(妻です)。作業一つ一つの解説やその方法をとっている理由、備品類などを説明した模様で、17:00すぎにセンターに帰ってきたら彼の持参したメモノートはかなりページが進んでいた。

一旦帰宅して食事をとり早めに就寝。2:00にセンターに出勤し今度は注文後の仕分け作業を体験してもらった。5:00に終わり一旦仮眠、9:30から今度は販売の締め作業を見てもらった。これで初回の一連業務が完了。間髪入れず2回目の業務に入った。今度は実際に作業を実体験頂く。まずは野菜情報の入力作業、MAGO-NETをつかって今回販売する野菜の情報を一つ一つ入力してもらった。見るとやるとでは大違い。四苦八苦しながら、それでも「なるほどー」と呟きながら入力を進める姿が微笑ましい。

販売開始時間ギリギリで入力作業を終え、昼食後は取引先の文化交流会館様主催の異業種交流会の準備、その後出荷業務を実体験頂き、17:00にセンター出発、異業種交流会に参加後(結構色々出会いがあってよかった!)、取引先に2件ほどお伺いし帰宅したら23:00を過ぎていた。

4日目は2回目のセンターでの出荷作業。今度は彼もメンバーとして作業にあたってもらった。出荷の受付、野菜情報の入力、パック詰め、ラベル貼り、検品などなど。この日18:30過ぎにセンターに帰ってきたら、既に納品書の出力作業まで出来るようになっていた。

その後は例のごとく深夜の仕分け作業、4:30に作業が終了し、彼は寝ずにそのまま納品に同行、12:00過ぎにすべての業務を終えて帰宅、研修は終了となった。

帰り際の、彼の表情と固い握手が決意を物語っていた。未来に幸あれ。

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