41「段取り」

快晴の朝7:30、三和の峠道辺り。眼下に広がる霧の上は真っ青な空、左右は艶やかな紅葉の山々、凛とした空気が静かに道路端の草木を揺らしている。下りの途中でまた霧の白い世界に包まれながら、思わず「パーフェクト」と呟いた。この庄原までの道をもう何度通っただろうか。半年間は週1回、その後の1年半は週3回、往復2カウントで約500回。目をつむっても運転できそうな感じだけど、四季折々時々刻々様々な景色が現れ悪くない。
昨日の農吉は野菜で溢れた。以前集荷に回っていた頃は野菜のほとんどは既に袋詰めされており集荷が終わればそのまま仕分けに入っていた。それを地元からの出荷を受け付ける形に変えてから半分以上は原体(収穫して洗ったままの状態)で入ってくるようになった。出荷後に検品・試食しながら袋詰めをするのだが、それを行うスタッフは実質3.5人(ちなみに、まごやさいは5人で行っている)。出荷が多いこと自体は大変有難い話なのだけど、現場は天手古舞(こんな漢字だったんですね、その由来もなかなか面白い)。

この日は別注のセット野菜や関東へのお米の発送などもあり終わりが見えない。スタッフの不安そうな顔を見て我に返った。こんな時こそ段取り。気持ちが仕事のスピードを下げたり、気になることを散発的にあれこれしがちになったり、焦ってミスが頻発するとオオゴトになる。業務の全体像と工程の優先順位を確認して、やるべきことをきちんと決めて、それぞれ仕事を割り振って1点集中で終わらせていく。別部門のスタッフにも応援を要請して体制を整え、工程ごとの想定時間を設定。後は母の名言「やれば終わる」を心で唱えつつ粛々と作業を進める。

みんなの頑張りでほぼ想定通りの時間で終了。最後までやりますと快く残って頂いたMさん、急な応援要請にも嫌な顔せず積極的に参加してくれたKさん本当にありがとうございました。お蔭様で農吉の売上対比の業務量も把握出来ました。

夜7:30、帰り道は満天の星空。故障がちだったトラックも快調、8:30、まごやさいに着いたらまだ妻と母は作業をしていた。こちらも出荷量がかなり多かったようだ。それから農吉+まごやさいの再仕分け。今度は「やれば終わる」を声に出すとニヤリと二人の笑顔。そして再度段取り。朝5:30、今期最高の積載量でトラックはまごやさいを出発した。

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